一般社団法人「日本アニメフィルム文化連盟」設立

アニメ業界の待遇改善目指し団体 都内で設立発表、人材育成へ(共同通信2023.5.19)

というニュースがありました。NAFCA  (なふか?と呼んでいいのでしょうかね。)と表記されてます。
人材育成や待遇改善を目指すとのことです。陰ながら、そして弊社超微力ですが映像つくる仲間たちと立ち上がったこの方達へエールを送りたいと思っております。

私見になりますが、
少子化の日本の今後日本のアニメーションの世界での需要求められるアニメーションの作画・映像のクオリティ、これらがバランスしなくなってきていることは日々、ひしひしと感じております。

少子化

所得が増えた先進国どこでも起きる現象だそうですが、出生率が2.0を切れば折り紙を畳むように人口が減っていく。東京の人口増加(他県からの流入)はまだ続いていますが、2025年が世帯数ピークという統計を過去に書籍でよみました。これは若者が一人暮らしをしたり、東京へ引っ越してきたり、で増える話です。そのままでは2070年には日本の人口は7000万人、現在の半分程度まで減るというデータもあるそうです。ドイツは人口7000万人、スウェーデンは1000万人ですから、うまくやればなんとかなるのでは?と思いますが、日本は1年間で自然死による人口減が100万人というショッキングなニュースもありました。毎年、金沢ぐらいの年一つ分の人口が減っている。という話です。例えば、私、1979年生まれの氷河期世代164万人、2021年で81万人です。(人口動態調査 政府統計サイト)半減しております。

日本アニメーションの需要

日本のアニメーションのベースは漫画原作というすでにコンテンツとして確立された作品のアニメ化に強みがある。漫画は世界へ輸出されているし、アニメーション作品の輸出も堅調。幼少期に漫画やアニメに触れると、将来的にも周辺コンテンツに親しみを感じてくれる土壌が培われると思います。今後人口増加や経済発展が見込める国、海外の子供達にむけた、ある種コアな漫画ファンではない未来の視聴者にどのように日本の作品を届けたり、つくっていくのかが鍵になるとは思いますが、現状でも手書きでアニメーションを商業ベース、TV放送ベースに載せてつくることができる(できなくなりつつありますが)、特殊性を生かし、継承していくことが求められると推測しています。
日本のアニメ放送番組輸出、2020年度は前年比12%増496億円(アニメーションビジネスジャーナル2022.7)
漫画「世界1180億円市場」 スコットランド人青年が見つけた「自分の物語」(Forbes Japan編集部2021.01)

求められるアニメーションの作画・映像のクオリティ

視聴者の目も肥えている。という話はそこかしこの現場で聞かれます。一昔前では劇場作品でしか見られなかったような作画クオリティの作品が普通にテレビで無料で流れている。と。撮影技術やCG技術の向上や使い方の熟練、独創性、ほとんどが組織というよりかは個人レベルの卓越した技術力やセンスに依存していますが、そうした部分の貢献もとても大きい。出資してくださるクライアント様ふくめて、求める結果の品質のレベルがあがっていることから、リテイクが増えたり、より多忙でギャランティも高いスタッフへ仕事を依頼したりという様子が、音響の現場でも伺えます。低品質なものはコマ送りで視聴されてSNSであっという間に広まる時代ということも相まって現場は大変なことになっています。
アニメブームの影で、深刻な「人材不足」 業界改善のための文化庁事業「あにめのたね」とは?[PR](マグミクス2023.3)
連載「アニメーション分野の人材育成」(文化庁月報 平成23年7月号)


 表現の追求に邁進する芸術家的な気質と、黙々と仕上げていく職人的な気質
ややステレオタイプな表現で恐縮ですが、実際の実務のレベルではこのあたりの素質というか、タイプをそれぞれで納期にたいして相対させてつくってゆかなくてはなりません。作品の大半は商業的なリターンを求めて出資されて依頼されているものです。つまり、納期や締め切りが必ず存在します。これは分野においてもかならず存在していますし、良くも悪くも結果に影響をあたえてきます。

そしてこの、時間やクオリティのマネジメント面の話で私がいつも思うことは、実際の音響作業の実務の能力とはやや別の趣向というか、スキルが違うように私は思います。バランス能力や、管理能力は、別個にゼロから育てる必要がある。と私は考えています。とはいえ、これはとても難しいです。自分の癖や考え方を含めて、自分で自分の手綱を握れるようにしつけていくことなので。あくまで私の意見ですが、納期を完全に守って仕事を遂行していくには、ゴールライン、クオリティのラインも客観的に把握、コントロールできる能力も必要です。メタ視点での自己観察や審美眼がいる。と言い換えられるかもしれません。一朝一夕で達成できることではないため、長期的な視点で育てていけるよう、土壌の整備、つまりは安定的な経営、財務基盤が必要となるわけで、組織側、経営者側の意識も具体的な策と数字が必要ですし、本人自身の大変な努力も必要で道は険しい。日々できることをきちんとやっていく、それに尽きると個人的には考えています。今回の記事で自分の課題も再認識させられた思いです。




業界な団体

AJA 一般社団法人日本動画協会
JAA 日本アニメーション協会

という団体が他にもあるようなのですが、恥ずかしながら私はまったく詳しくなく、説明できることもなにもありません。弊社としても直接的な関わりはないです。上層部の、音響制作会社様や監督・演出さんレベルではやりとりがあるのかもしれません。音、関連の団体としては

JAPA 一般社団法人日本音声製作者連盟
協同組合 日本俳優連合
協同組合 日本映画・テレビ録音協会

仕事をしていてよく聞く団体を挙げさせていただきました。書き出した順に特別な意図はございませんので、序列的なことを気にされる方がいらっしゃいましたら、あまりこうしたことに私自身が明るくないゆえの書き方ですので、どうかご容赦ください。音関連の団体ではございますが、やはり弊社はそこまで関わりはございません。
録音協会がもっとも私にとっては身近な存在で、過去に会員として過ごさせていただいた期間があります。その節は大変お世話になりました。録音協会の推薦をいただけたからこそ、私は文化庁の研修員に応募することができたと思っています。そのご恩は日々の作品制作を通して日本へ、世界で届けていきたいと考えています。


録音協会への入会方法や会費について
録音協会の会員のメリットとして特典についての説明

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Hkurahashiのアバター Hkurahashi 代表取締役社長

株式会社オトナリウム代表取締役社長  
好きな言葉は  楽しみは春の桜に秋の月 夫婦仲良く三度くふめし

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